6年ぶりの積雪

 昨夜10時過ぎにキッチンの小窓を少し開けて外を見ましたら、
お隣との間のブロック塀に雪が数センチ積もっておりました。
早速雨戸を繰りました。
庭の外灯の中に、すっぽりと雪化粧した、ハナミズキやサツキが
よそ行きの顔で佇んでおりました。

その上に、大小の牡丹雪が左に右にと舞いながら降り積もっていきます。
写真を撮りたくて窓を開け放ちましたけれど、それほど寒くはありません。
底冷えは雪の前触れだったのですね。


 あの勢いで降り続ければ10センチを越える積雪になるのではと思いきや
朝の庭は薄明かりの中で、少ししょんぼりとして見えました。
木々はしなってもいず、天に向かって両手を広げていましたし、
躑躅の上の雪は、水分を失って、昨夜のこんもり感はなくなっていました。
重い雪は着きやすいけれど、直ぐに萎んでしまうのですね。
東京の4センチの積雪は6年ぶりとのこと。
この程度の雪に混乱したり、大騒ぎしている私達を、
雪国の方たちは不思議に思われることでしょう。
それにしても真っ蒼な空に雪を抱いた枝を広げる木々の麗しいこと。
雪に陽射しが映えて、眩いばかりです。


架線の問題で大幅遅れとの小田急線情報を理由に、
今日の講義は欠席と早々と結論を出し、
ボストンの娘との久しぶりの長話を楽しみました。
彼の地は零下の世界。11月から降り出した雪が根雪になって
その上に、一日か二日置きに雪が降り積もっている由。
「粉雪なので、雪かきはさほど大変ではない」と娘はさりげなく言います。
この状態が早くても3月末まで続くのですが、「でももうすぐだから」と
雪に年季の入っている人は言うことが違います。
息子と共にスキーを楽しんでいるとのことでした。
車の上の雪を掻き下しているNoahの写真が送られてきました。

向こうに見える木々の根元は20センチほど雪に埋もれておりましょう。
屋根の雪がさほど積もっていないのは、粉雪だからです。
雪が大好きな彼は、雪が降り出すと嬉々として雪かきに励むとか、
たった4センチの雪に外出を躊躇う自分を省みます。


10時過ぎ、忘れていたゴミ出しと雪かきに外に出ました。
道の中央の雪はほぼ消えていて、北側にだけ名残の雪がありました。
階段の雪は、氷と化していましたから、
それだけは慎重にシャベルで叩き割り、側溝に捨てましたけれど、
東京の春の雪は、人手を費やすこともなく、穏やかなものでした。


思いがけず手にしたたっぷりの時間で、これから轆轤回しを致します。
娘たちにご飯茶碗を作ろうと思い立って。