秋晴の日に献茶を映す

 2年前の10月、茶室で献茶のシーンを撮影したことがあります。
暑からず、寒からず、着物を着ての長時間の撮影が苦にならない
とても気持のよい秋の一日でした。
「神」をテーマに世界中を廻って映画製作をしている
娘婿の友人Peter Rodgerの依頼に応じたものです。
茶室で、献茶(神や尊い存在に対して献ずる茶)の
儀式のシーンを撮りました。
30分ほどのシーンに延々5時間ほどの時間をかける念の入れ方で、
汗だくでカメラを廻すスタッフの動きに見惚れました。
 その後、鎌倉八幡宮、京都の藤森神社などを撮り、
5日ほどの滞在で慌しく帰国していきました。

 それから1年を費やして膨大なフィルムの編集、
その後1年かけて上映のための準備(スポンサー探しなど)、
そして、ようやくこの度アメリカでの封切にこぎつけたのです。
タイトルは「Oh My God」。

 「Peterの映画をボストンの映画館で観てきた」と
今朝ほど娘から電話がありました。
2時間ほどの映画の一部に日本編があり、
その中に神社、寺、太鼓や踊りのシーンと共に献茶と
毛筆で「神」と書くシーンが織り込まれる編集だったそうです。
母をはじめ社中の方たちの表情や茶室の雰囲気がありのままに
画面に流れていて、「感無量だった」と娘が伝えてくれました。

 出演した私達としては、是非その映画を観てみたいのですが、
日本での上映の予定は無いとのこと、それがまことに残念です。