冬の夜のコンサート  

 1月最後の日曜日31日に、チョン・ミョンフン指揮 
東京フィルハーモニー定期演奏会に出かけた。
曲目はモーツアルトのピアノコンチェルト23番と
マーラー交響曲1番。
どちらも大好きな曲。
もうかれこれ30年くらい前、晩年のルドルフ・ゼルキン
ピアノコンチェルト23番を聴いた時の感動が忘れられない。
曲の隅々まで(ピアニッシモの微かな響きにも)温かく細やかな
情感が篭められていて、心に直に伝わった感触が。
31日のピアノはキム・ソヌク:2006年リーズ国際ピアノコンクール
で優勝した新進気鋭の21歳。
華麗で端正な演奏を楽しませてくれた。これからの活躍が楽しみ。
マーラーの一番。圧巻の一言。
ぐいぐいと引き込むような激しさと心を包み込むような
やさしさと繊細さと、
チョン・ミョンフンさんの魅力が遺憾なく発揮されて、ほとんど
夢心地。
後で伺えば、チョンさんは東京フィルの常任指揮者を今回で退き、
桂冠指揮者になられる由。
日本での演奏の機会が減ってしまうとすれば、それはいかにも
残念でならない。
素敵な時間に心からの感謝を。