茶室の衣替え

 季節を少し先取りして、茶室が夏に衣替えをしました。

火の気がおもてなしの一つだった時期には亭主とお客様との
両方に近く備え付けられていた炉がその役目を終えました。
炉は蓋で覆われ、その代わりに風炉釜がお客様から離れた位置に
置かれています。


 床の間も夏の雰囲気です。

掛け軸は清々しい山の様子を記して「山水清音有り」。

花も季節の花々9種を染竹、手付きの筒に生け込みました。


棚も水指も涼しげに見えるものにしました。

棚は桑子卓、水指は染付で絵は唐子です。

棚上の茶器は藤蒔絵の薬器型。


主菓子は藤、下に藤の葉を敷き詰めました。

二の菓子は御柱一本焼、7年に一度の御柱の年に因んだものです。


 若い緑が庭一杯に広がって、初夏の花々が盛り上がるように
咲き乱れています。床の間の花たちも、みなここからやって
きました。
5月にしては涼しさがやや勝る14日、
知川庵は久しぶりの風炉点前にやや戸惑う場面もあって、
笑い声の絶えない和やかさ。
爽やかな風が吹き渡っておりました。