桔梗の花は咲いているけれど

 週明けから暑が戻り、日毎に厳しさが増していて、
その気温の数値を聞くだけで外に出ることに怖気付いてしまいます。
窓の下に咲く桔梗も涼を呼んではくれません。

けれど、必要なことがあって外に出てみれば、
暑さは案外気にならないものです。

 昨日は買い物から帰って、続きに石段の水洗いをしました。
梅雨の間、雨にたたかれてタイルが少し緑がかっているのは
苔の類だと思います。
そこをデッキブラシでごしごしごしごし、面白いようにきれいになります。
はだしの足に冷たい水も心地良い。
最後に花壇にたっぷりと水遣りをして家に入りました。
洗面所で手を洗っていると、額から汗の滴がぽたぽた。
額に汗して働くなんて、何だかとても仕事をしたようで良い気分でした。

 その後は型作りが出来た作品の高台を削り出して、乾燥へ。

やきものは作り始めてから出来上がるまで最低でも10日は掛かる長丁場です。
手作業の物作りはどれも似たり寄ったりでしょうけれど。
だからこそ、ようやく手にする結果に心が高まるのでしょう。
その出来、不出来は別にしても。


 今日は母と美容院へ行き、帰りに家に寄ってもらいました。

曾孫のYoutubeを母が楽しんでいる間に私は大急ぎで昼食の支度。
今日は暑いので、線切きりの具をたっぷり乗せた冷やし中華
それに半熟玉子、チーズと果物、食後は冷たいあんみつといったところです。

簡単料理なのに母は「おいしいわね」とゆっくり箸を進めて
お皿を空にしてくれました。


 母との尽きない話の多くは私が子供の頃の昔話、
それがこの頃とても多くなっています。
思い出は辿れば3,4歳の頃まで遡れるのですね。
もっとも母の記憶にないことも多いということは、
もしかすると私が想像を膨らませて作り上げた創作の世界の話なのかもしれません。
でも母と過ごす時間は甘くあたたかい香りがします。
お互いに楽しかったことしか話さなくなっていますから。
これはひょっとすると神様が母と私に下さる特別な時間なのかもしれませんね。