陽射しに温もり増した日に

 大雪の後、昼間も気温が上がらず、
凍ったままの雪のかたまりが
石段にも道にも庭にも居座る日が4日も続きました。
そして訪れた昨日の母の七七忌
天気予報に違わず、7時前には辺りは明るい陽射しに包まれました。
美しい碧空、木の葉も鎮まったままです。
母が永久の眠りにつく東京霊園は高尾山の麓、
遠方からお越し下さる方たちの足元が悪くはないか、
ひどく寒くはないかとそればかりが気がかりでしたけれど、
杞憂に終わりました。
母の名前の中には照という字があります。
その名に違わず陽光に恵まれることの多い女性でした。
家を出たのは10時少し前、長男とは夫の墓地で落ち合いました。
両親と私達、それぞれの終の棲家は、同じ霊園の中にあるのです。


 法要への参列者は母のごく身近な人ばかり20名ほど、
母の希望通りに事を運んだのでした。
法要の一切を取り仕切って下さるのは、
父の生家のある信州神戸、瑞雲寺のご住職です。

四十九日忌明けと戒名開眼式、納骨式のお経を上げて下さり、
満中陰の意味を分かり易く説明して下さいました。
その後の納骨、父の傍らに母が納まる様子をつぶさに見て
心に迫るものがありました。


 ご住職も参加して下さってのうかい竹亭での会食は、
みなの安堵の思いも加わって、和やかなものとなりました。

ご住職のお話は、両親の心の有り様の大切さ、
子供の心に及ぼす影響の大きさ、
自らの心のありようを省みる機会になりました。


 親しい方たちと、昼食を共にしながら母を偲んだ一日は、
和やかに、静かに暮れて行きました。
こうして私達は、前を向いて進んで行くのですね。
母は私の心の中に、とこしえに住む人となりました。