雨の翌日は春の気配

 久しぶりにしっとりと雨が降って、庭が潤っています。
芝はまだ白茶けた冬色ですけれど、
クリスマスローズの葉の緑色が冴えて、
周りには土から頭を出した花芽が一杯です。


 一月も今日でおしまい、焦点定まらぬ月でした。
外に出るのにコートの要らない暖かい陽射し、
頬に触れる風には、少しの冷たさもありません。


 あちこちで用意を済ませた最後に、
2月の茶会用の菓子を決めに馴染みのお菓子屋さんに寄りました。
いつもおいしく、センスのあるお菓子を特別に作って下さる職人さんが
「鶯を作りましょう」と言われます。
「わァうれしい、素敵、素敵」と大喜びしてから気付きました。
「可愛い鶯をどうやって食べるの?」と。
そしたら職人さんが
「気になっちゃったら止めた方がいいですね。菜の花にしましょう」
と提案して下さって、
残念な思いを残しながら、でも、ほっとしたのでした。
水仙型のお菓子を頂いて戻りました。


 あまりに陽気が良いので、暫く庭で過ごしました。
心待ちしているのに、なかなか顔を見せてくれなかった乙女椿が
葉陰に一つ咲いているのを見つけてうれしくなりました。

あと三日で節分。
春はすぐそこですね。