雪のあした

 明るい陽射しがテーブルの近くまで届く雪のあした、
庭に残る雪に光が煌めいて、目を射ります。


 節分には4月の気温を記録しましたのに、
春立の昨日は一気に冬に逆戻り、雪が舞う日になりました。
午後から降り始めた牡丹雪が、
暮れなずむ空から間断なく舞い降りて
庭を幻想的に演出してくれました。


 今年は、例年の豆撒きを止めました。
と言うより、長男が久しぶりにやって来ていて、
みなで話し込んでいる内に時を逸したというのが本当です。
マメに過ごしたいので、豆だけは例年通り、
年の数の一割ほど食べましたけれど。
そのご利益でしょうか、
風邪さえも私達の脇を素通りして行ってくれます。


 昨日は次男の誕生日でもありました。
春立つ日に私達に喜びを齎してくれた息子は、
今も私を大きく支え続けてくれています。
彼の好物を選んで整えた誕生祝いの食卓です。

ベジタリアンの彼にと肉も卵も牛乳も使わずのメニュー、
ニューイングランドクラムチャウダーは豆乳で、
カレー風味のピラフにはシーフードと春野菜を入れて、
ケーキにも卵、生クリームは入っていません。
限られた食材で、如何に美味しいものを作るかを
あれこれ工夫するのも楽しいことです。


 季節は行きつ戻りつ、
思わせぶりな足取りだからこそ、期待感も焦燥感もあって
春を待ち焦がれる思いも募るのですね。


息子を迎えた日も、外には雪が降り積もっておりました。