晴やかな師走の日、母を偲んで

日本海側は例年よりも早く大雪に見舞われている所も多いのに
関東地方はカラカラの上天気、冷たい朝を迎えています。
師走に入ってもう一週間が走り過ぎました。
サンクスギヴィングの飾りを入れ替えて、
クリスマスの飾り付けがようやく済んだところ

秋から冬に掛けてはイヴェントフルなので、
毎月の入れ替え作業も楽しいけれど、気忙しい。
ライトアップして10日たった楓の照葉もそろそろ終焉です。
今最後の若木の赤が、毎夜燃えています。
6日は満月でしたから、月とモミジの供宴が見事でした。


5日には母のお茶のお弟子さんだった方々を招いて、
宗照を偲ぶお茶の会を開きました。
この日のためのお菓子のことを、娘、義妹と話し始めたのは
10月の始めから、参考になるお菓子探しを皆でしながら
だんだんにデザインを作り上げていきました。
お菓子屋さんとの相談数回、試作品を見て手直しのお願い、
最終の試作品出来上がりまで、2週間以上が掛かりました。
そして前日、受け取って来た大きな箱のふたを開けて、
ずらっと並んだ主菓子と副菓子を見たときは、
ちょっと感激してしまいました。

着物を着るので8時に家を出ました。
いつものように、義妹の手によって浄められた茶室には
「忙中閑」の軸、
袋棚には、高取の水指が既にきちんと用意されています。
お茶を入れ、花を生け、お菓子を盛って、準備完了。

軸は、忙中閑

花は、楓照葉と白侘助

母を偲ぶ主菓子は、
母の好んだ藤色の帯型、

母の後ろ姿に学ぶの意、帯結びから母とお弟子さんとの絆の意、
年を締めくくるの意
沢山の思いを籠めて、銘を「結」としたのでした。
二の菓子は山茶花。蕾と開花との2種


十時にはお弟子さん達が揃い始めました。
みなさんが母に線香を上げて下さり、席入りをして後、
Oさんの点前、Fさんの半東で、母へ供茶がそなえられ
続いて濃茶点前薄茶点前の稽古に入りました。
母の面影を留めた主菓子は、
みなさんが「先生そのまま」と愛でて下さって、
時間をかけて考えた甲斐があったと、義妹と喜び合いました。 
和やかな会話とみなさんの笑顔、3時間はゆったりと流れて、
ぬくもりの茶室には、たしかに母の気配がありました。