母の旅立ちの日に、もみじ天に煌めいて

昨日は一日中しとしと雨、
今日は打って替わって抜けるような碧空となりました。
紅を増した楓の照葉が、空に向かって両手を広げています。

足もとを見れば道も庭も紅に彩られて、素敵です。
でも、でも、この紅葉達、風に乗ってどこまでも旅をしてしまいます。
これからの日々、朝一番の仕事は、落ち葉掻き、
楽しませてくれたお礼に、文句を言わずに集めています。


今日は、母の命日です。あの日から丸二年が巡りました。
目覚めたときから、あの日のことが思い出されて、
気持が落ち着きません。
10時前に母の家にお線香を上げに行きました。
きれいな花が供えられた仏壇に手を合せていると、
心は安らぎにみたされます。
母の茶道具を出して、
次の茶会の打ち合わせを義妹と済ませて帰宅しました。


帰って直ぐに始めたことは、
母が大好きだったレアチーズケーキ作り、
かろうじて3時のお茶に間に合いました。
見た目と口と両方にやさしいものが好きだった母に、
気に入ってもらうためにと、気合が入ります。
ケーキの周りには、紅葉した楓の葉を飾りました。


夕暮れ時になって、三脚とリモートスウィッチが届きました。
モミジのライトアップの手振れを防ぎたくて、急遽注文したもの。
すっかり日が暮れてから、息子に使い方を聞きながら
灯に照らし出された紅を撮りました。

ライトアップした照葉を、殊のほか愛した母に供えようと思います。
もっとも、今や自由自在にどこにでも行ける母のこと
私の傍らで見ていてくれるのかもしれません。