水無月後半から文月の始めのことごと

父の十三回忌が執り行われたのは6月28日(日)のことでした。
それに合わせて娘たちが例年より早く帰国して、家の中は一気に
大家族の雰囲気となり、静かな日常はどこかに吹き飛んで行きました。

父の法要はごく身近の、日ごろから親しい交流のある人ばかりが
集いました。父の眠る東京霊園の礼拝堂での法要とお参り、
うかい竹亭でのお斎と馴染みの場所での、湿り気の無い、和やかで
楽しい会となりました。


帰国直前に娘が国家試験と州の試験に合格して、晴れてドクター
になりましたので、そのお祝い、義妹の還暦、ノアの誕生祝と
沢山の目的を持っての集まりは、横浜うかい亭で開きました。
遠慮のない集まりは食とおしゃべり、どちらの口も賑わいました。


ノアの希望のディズニーシー、娘の買い物や美容院と帰国の折にしか
できない事ごとで大忙しにも拘らず、私の誕生日のため
家族こぞっての準備も進んでいたのを、私は当日まで知らずにおりました。
それは実際の誕生日より少し早目の7月5日、玄関のチャイムと共に
美しいピンクの薔薇の花籠が届けられるところから始まりました。

家族が忙しげに、二階と一階の間を行ったり来たり、
そしてキッチンから出たり入ったり、
用意されたのは子供たちが料理した品々とNoahが飾りつけをした


手作りケーキ、会の始まりはNoahのキーボード演奏でした。
寄せ書きの色紙、今はそばには居ないけれど、
私を慈しみ愛してくれた人たちの写真も加わって家族皆からの
お祝いの心が込められていました。
プレセントはノアが選んでくれたという、大好きなピンク色のペンダント
こみ上げてくるものを堪えるのに努力が要りました。
心がしっとりと潤うしあわせな時間は、過ぎていくのが惜しまれる
あたたかいばら色に彩られておりました。