小さな春

 行きつ戻りつしながらも季節の足先は確実に春に向かって
いるようです。
娘達の帰国が、突然の孫の発熱のために15日から18日に延期に
なりました。
準備万端整ったところへの変更でしたから、
時間がぽっと空きました。
孫がひどい状態ならば気分も重いでしょうが、
用心のためにとむしろ私が勧めた延期ですから、
空いた時間を楽しむゆとりもあります。
 彼等と同行する旅の予約変更だけは急いで済ませて、
春を探しに庭に出ました。
花壇の花は勢いを増し、宿根草も花をつけ始めています。
でも一番元気なのは何と言っても日頃から雑草として邪魔者扱い
されている小さな草の小さな花たちです。
真っ先に緑を見せる彼らを抜くのは忍びなくて、そのままにして
あります。直径ほんの2、3ミリの花達が風に揺れていました。
カメラの目で眺めれば、こんなに可憐な姿をしています。

 
  
 

そっと触れてみれば、懐かしさが蘇ります。
おままごとの昔からみんな知っている花達です。
頬をなでるやさしい風の中に遠い日の野原の匂いをかぎました。