若緑は広がっているけれど

 突然の夏の訪れから一転して15度も気温の急降下と、
日毎に激変する天候に人間は翻弄され通し。
 「今年の気候は変ですねえ」が挨拶代わりになっている。
それでも小糠雨の日でさえ、潤った萌え木にも、
首うなだれて咲く花たちにも季節はちゃんと宿っていて、
自然の営みは片時も絶えることが無い。
 冷たい雨の後、今日は3日ぶりに日差しが戻ってきた。
露を宿した花たちがいっせいに煌き始める。

庭は淡い緑に満ちて、
開きかけて留まっていた楓の新芽は、
いつの間にか紅に縁取られた萌黄色に変じている。

カメラ片手に庭を歩けば、ほんの片隅の草むらにさえ
小さな命が溢れていた。

もうすぐゴールデンウイーク、
そんな時期まで寒さにコートの襟を立てる日もある
不思議な春の日々が続いている。