4月のお茶を楽しむ会

 日毎に変わる気温に戸惑いながらも、
お茶の世界は淡々と渡しの季節の設えを整えて、
お客様を迎えます。
炉点前は4月まで、5月からは風炉点前が始まります。
今日の茶会が終れば茶室は冬から夏への模様替えです。

冬が終わり、春たけなわのこの時期は、普通ならば
火の気がちょっと重くなる頃、
そこで4月の茶室の設えは、

床の間は時期に合わせて掛け軸は「関」。

花は金花茶の最後の一輪と花筏の芽吹きの一枝。
花入れは青磁の鶴首(私の手製)。

棚は旅箪笥。

暖かい日には外で芝点も出来る、
そんな趣向に合わせてみました。
利休が戦場に運び込んだという
茶道具一式が納まる棚です。

釜は羽窯というこの時期だけのもの。

火の中に埋め込んだ五徳は外し、窯は火から遠ざけて、
炉縁にかけます。
炉縁に掛けるための羽がついた特別な形の平窯を
羽釜と言います。

主菓子は桜金つば、

ボストンからのイースター菓子も加わりました。

いろいろな点前の出来る旅箪笥だけれど、
点前する皆さんはやはりこの時期は芝点に惹かれる様子。
珍しく日ざしの出た春の日には
やはり野点の気分が味わいたくなるのかもしれません。
少しくだけた雰囲気の中で、和やかな春の日が暮れて
いきました。

                               
4月24日記す