そよ風の日のサロンコンサート

 昨日、夫の友人Fさんからのお誘いで出向いた先は
都心の5階建てビルの最上階。
そこに、サロンコンサートの会場となるS邸がある。
春の日差しが一杯のベランダには色とりどりの花が咲き乱れ、
広いリビングには2台のグランドピアノがどっしりと設えられている。
 演奏者はヴァイオリニスト岩住英美さんと
ピアニストの孫梅庭さん。
二人共に幼少の頃からその才能を花開かせ、ジュリアード音楽院
博士号を取得した後、世界各国で活躍する20代の前途洋々たる演奏家

 ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ第5番から始まった、
その日のコンサートでは、
ドボルザークのスラブ舞曲、
クライスラーの愛の喜びなど、耳に馴染んだ全5曲を
休み無く一気に演奏しきった。
その力強さ、張りのある音色、若さが弾けんばかりに部屋を
満たしていた。

 リヴィング、ダイニングルームを繋げた部屋に40人ほどの聴衆が
ゆったりと寛いだ雰囲気の中で、上質な時間を共有した。
 Fさんと、場所を提供してくださったSさんとの共同企画のこうした
サロンコンサートはもうかなりの回数を重ねているとのこと。

 演奏の後にはコーヒーとお菓子が用意され、
和気藹々の賑やかな会話がそこここに広がっていた。
Fさんの同窓関係者14名の中に加えていただいて、学校の異なる私も
学生時代を共にした友人達の中にいるような心地良さ。
同窓会の締めくくりには記念撮影をとみなの笑顔がはじけて、
会はお開きになった。
岐路に着く私は、ちょっぴり若返った気分、
げんきんに足取りまで軽やかになっている。