4月を彩る花たち(2) 宿根草

母が茶花作りに精を出していた頃、
春先から次々に顔を見せる可憐な山野草に魅せられて
茶花作りの真似ごとを始めました。
もう20年位も前のことです。
でも毎日眺めて手を入れて、肥料もマメに土の手入れもと、
やりだしたら限がないほどの仕事量を
とてもこなす気力も時間も無いままに、瞬く間に日は過ぎて、
花たちは次々に姿を消していきました。

そして夫の転勤に同行して数年を海外で過ごすうちに、
庭は雑草の野原と化しました。

花に目が向き、それなりの配慮もするようになったのは
10年前に家を立替た後からです。
母は私のそんな様子を見て、手塩にかけた山野草の苗に
一つ一つ名前を記した紙を添えて届けてくれました。
今度は注意深く育てたつもりですが、やはり手入れも、
それにおそらく土質も異なる故でしょう、
翌年には姿を消す花たちも沢山ありました。
それでも、母の花に加え、自分でも求めた花たちが
昨今はだいぶ根ざして、季節ごとに律儀に顔を見せてくれる
ようになりました。
 寒さが遠ざかる頃からは、5時起きしてヨガをした後に
花に会いに庭に出るのが毎朝の習いになっています。

 雨上がりの今朝は、稚児百合、宝鐸草(ホウチャクソウ)、
エビネ蘭、鳴子百合、松虫草、都忘れ、イカリ草、
昼咲き桃色月見草、白雪芥子、クモマグサ
などが私を迎えてくれました。