パリー祭の夜のフレンチと夜景とおしゃべりと

 ごくごく親しい友人たちとの昼食会、夕食会は私の楽しみの一つ、
身体にもだけれど、何よりも心にたっぷりの栄養が蓄えられます。
 夕べは、学生時代からの友人Iさん、
そして我々よりも10歳もお若い、
でも経験も知識も見識も豊かな
ヴァイオリニストのKさんとの3人晩餐会でした。
場所はANAコンチネンタル36階のPIERRE GAGNAIRE。
パリー祭の特別メニューでした。
夜景が目の前に広がる窓際の席で、
シャンパンから始まる華麗で美味なフルコースを
楽しいおしゃべりと共に存分に味わって4時間が過ぎました。
フランス料理は日本料理と同じように目でも食べる美しさ、
繊細な彩と飾り付けの
オマール海老のアペタイザー、
フォアグラのポアレ、舌平目に、
シャラン鴨、
見た目も彩に調理されたチーズたち、
4種類ものデザートとハーブティー
ウエイターのマナーもサービスも満点で、
心地良い時は流れるように過ぎていきました。

ロービーで1時間ほど食後のおしゃべりをして
良い気分で家路に着きました。

 ところがそれからが大変。
千代田線から小田急線に乗り換えの時点でのハプニング。
電車が来ないのです。
信号機の故障に因る遅れとのアナウンスはあるものの
詳しい事情は皆目分かりません。
ホームは千代田線の到着電車の度に人で膨れ上がっていきます。
40分ほど遅れてきた電車は既に立錐の余地も無い程の満員状態、
それに無理やり押し込まれ身体は斜め、
一旦上げた足は置き場が無く、
電車の中は蒸し風呂状態です。
40分かかって最寄の駅に着いた時の安堵感と開放感と
いったらありませんでした。
タクシーで辿り着いた我が家の玄関には
灯りが点され、1時過ぎだというのに息子が出迎えてくれました。
口には出さなくても心配してくれていたのでしょう。
心にも灯りが点りました。
終り良ければ全て良し。
変化の大きかった一日も、
心に残る良い日としてその幕を閉じました。