猛暑のままの新学期

 例年ならば涼風が立ち、
つくつくぼうしが季節を告げるこの季節、
晴れ上がった青空からは今朝も真夏の日射しが
容赦なく降り注いでいました。
 起き抜けに先ずはヨガ、
そして朝食前の花壇の水撒きが
この時期は日課に加わります。
すっかり干上がり、白くなった土に
水が気持ちよく吸い込まれて、
土色に戻って行きます。
ほっとして家に入り、朝食の仕度。
こうした日課が再び滞りなく流れ始めました。
ヤレヤレと思う気持と淋しさと。
 日本の夏を目一杯満喫して、
山ほどの思い出と日本のたべもの、着るものを
おみやげに娘とNoahは日本を発っていきました。
シャボン玉、花火、湖のボート乗り、水浴び、
墨で真っ黒になりながらの始めての書道、
土をこねこねしてのやきもの作り、
Noahのやりたいこと、
娘がさせたいことをあれもこれもとやりながら、
笑い声の絶えない夏の日々でした。

 次男の運転で成田まで見送りました。
別れ際、Noahは私にすがり付いて「さみしいなあ」と
言いました。
離陸の時に「ナナちゃま、おじちゃまバイバーイ」と
見えない私達に手を振って、挨拶を送り続けたそうです。
その時、前の席にいた若い男性が、
後ろを振り向いて、Noahに「シッ」と言ったとか。
すかさずNoahが「Why did he say 『si 』 ?」
「静かにしてくださいって言ったんでしょ」と娘。
「No, he didn't say so. He said 『si 』 to me」とNoah。
親しい人に「さよなら」と呼びかけることが
どうして「シッ」なのか彼にはわからなかったのでしょう。
納得するまでWhy? Why? が続く3歳児は、
吾が子の同じ頃を彷彿とさせることがしばしばでした。

 暑さとは関りなく、私の夏休みは昨日で終りです。
朝食の後にホームページを9月号に更新し、
素焼してあった花入に黄瀬戸釉を施して窯入れ。
学校も間もなく始まります。
非日常から日常への切り替えはすんなりと行きました。