進み始めた紅に

 二階の窓から見えるはなみずきが少し紅をおびてきました。
いつでも秋の気配をいち早くキャッチして、
真っ先に深紅になり、
そして10月始めにはもう葉を落とします。
例年にない暑さ続きの9月にもいつもと替らぬ準備を
淡々と整えていたものとみえます。
もう一週間もすれば見頃になることでしょう。
いよいよ秋の始まりです。

 今日はちょっとうれしいことがありました。
8月始めのこと、右首の付け根の辺りに硬いしこりのようなものが
触れるのに気付きました。
これから夏休みが始まろうという時、計画が目白押しでした。
妙なものなら夏休みが終ってから始末をしようと、
見て見ぬ振りを決め込んで一ヶ月を過ごし、
今日整形外科で診察と検査を受けました。
私が見ても判別がつくほどの突起が写真から見て取れました。
「骨の変形に因るもので、腫瘍等の深刻なものではなく
治療の必要もない」との医師の診断でした。
気にしていないつもりで気になっていたのでしょう。
大層安堵して、気分は急上昇。
帰宅してから早速にパンプキンパイを焼きました。
かぼちゃは信州からの到来もの、オレンジ色が鮮やかです。
オレンジ色に触発されて瓢型水指にかぼちゃ色の釉を施し、
茶色の葉を散らして、窯に火を入れました。
暑さ負けして穴だらけになった花壇に
大量の花も植え込みました。
作業を終って水撒きをして、気分はいたって爽快です。
心も体も正直なものです。
嘘のように軽々とことが運び、満足感だけが残りました。
大きなギフトが天から届いた気分でいます。