9月のお茶の会(逆勝手点前)

 さしもの暑さもようやく少し落ち着いて、
朝夕の風が季節の変化を伝えてくれます。

 昨日は、知川庵での夏休み明け初のお茶の会を持ちました。
社中の皆さんの出足もよく10時半には7名が顔をそろえました。
暑さにも負けず、どなたもとてもお元気。

 母の長年の習慣で、夏休み明けの9月には
茶室に逆勝手の設えをします。
お茶から暫く離れていた頭と手の訓練に最適だからだそうです。
と言いますのは逆勝手とは、
常には亭主の右手に座られるお客さまが、
亭主の左手に座った形でする点前で、
それに合せて、亭主の左手に据える釜は右手に、
右手の水指は左手にと道具の置く位置が逆になります。

(これが常の釜と水指の配置)

全ての道具がそれに伴ないますから、
当然点前の手の動きも常とは変わってきます。
点前をする方は余程集中していないと
手許がいつもの流れを辿ってしまいます。
この点前をすることで、
一気にお茶への集中力を元に戻していただこうというのが
母の目論見のようです。
お話に耳が引き寄せられ、
手許が疎かになることもありましたけれど、
久しぶりの稽古は清々しく、
薫り高い抹茶とお菓子を味わい、
座は和やかな雰囲気に包まれました。





ことの他暑かった夏を何事もなく乗り越えた
母と社中の皆さんの笑顔が一日続いて、
ゆったりと良い時間が流れていきました。