木枯らしが吹き始めて

 朝の道には夕べ散った木の葉が何処までも広がっています。
竹箒で掃き寄せても北風がひと吹きすれば元の木阿弥。
からから、カラカラと軽やかに道を転がっていきます。
追いかけて、捕まえて、バケツに入れての繰り返しで40分。
これから12月末まで毎朝この作業が続くことになりましょう。

一昨日木枯らし一号が吹いて、昨日は一気に冬になりました。
冷たい雨の中、学校に出かけました。
ホームは濡れて風は冷たく、
電車を待つ間は、みな肩をすぼめ、足踏みしたり、
手を擦り合わせたり。
午後の授業はユナイテッド・キングダムの歴史のひとこま。
カクテルに「ブラッディ・メアリー」の名を残す
メアリー一世の物語。
プロテスタント教徒の迫害の様子に
体ばかりでなく心まで冷えました。
帰りの電車は満員なのに、妙に静かで、
疲労と寒さでどの顔も強張っているように見えました。
でも帰り着いた我が家はオレンジ色の灯りと
ぬくぬくとした空気で私を迎えてくれました。
「やっぱり家が一番」と一人ごちながら淹れた熱い煎茶が
心の奥まで浸みました。