半年間使った風炉釜を片付け、
今月の茶室は炉になります。
炉開きの季節です。
母が高齢になり、仕度も思うに任せなくなりましたから
炉開きとは言っても特別な行事は致しません。
でも茶室の佇まいは、しっとりとして気持も改まります。
床の間の軸は、「門前落葉多し」
花は姫沙羅照り葉と石蕗
棚は米棚
茶器は「吹き寄せ」
水指は御深井
菓子はもみじ
秋景色
茶室はすっかり秋風情です。
やはり茶室には炉が似合います。
穏やかな日差し、心地良い気温、
松風を聞きながら、
お菓子のやさしさが残る口に
ふっくらと点った抹茶を含みます。
「結構なお服加減でございます」
「点てそんじまして」
ことさらに風雅深まる晩秋の午後です。