夏戻りの日のお茶の会

 昨日は、今年最後のお茶の会でした。
前日からの強い雨、風が朝まで残る中を
大荷物で母の家に向かいます。
雨に叩かれ、風に吹き上げられた照り葉が
玄関先も道も占領しているのを見ぬ振りをして。
雨は横殴りに続いています。
最高気温は24℃との予報、時ならぬ夏の再訪です。

 それでも茶室はいつも通りに何事もないように
静まっていました。
義妹が既に部屋を清め、軸を掛け、棚も水指も出して
くれてありました。
軸は「茶筌売り」:かっては師走の風物詩だった由。

母が花を生け、

お茶を入れ、
お菓子を盛り付けてくれます。


炭を熾して釜を掛け、
棚に茶器と水指を設えて用意万端整いました。

棚は袋棚、茶器は菊蒔絵、水指は高取です。

 10時を過ぎると、社中の方が次々とみえて、
茶室はすぐに8名になりました。
炭点前から始まって、薄茶、濃茶とお点前が進み、
常と変わらぬ安らぎが茶室を満たします。
暮の慌しさとは無縁の世界で心の洗濯をします。
茶会が果てたのは2時。
少し早目の「良いお年を」の挨拶を交わしながら、
母も社中の方たちの表情も和んでおりました。