忙中閑

 暮でも「忙」と言うほどに動いているわけではないのですが、
日頃手の届かない天井裏の物入れや、
やきもの制作室、
納戸などの整理をやり始めています。
物を入れられるだけ入れ、或いは出すだけ出しっぱなしに
していますから、いざやり始めると、
片付けるものの多さに当惑して、
仕事は遅々として進みません。
すぐに息切れして今日は小休止。
 「閑」を求めて、友人と横浜にドガ展を観に出かけました。
昨日来の雨が朝にはまだ強く残り、
時期も時期ですから、ガラガラの美術館を期待していました。
ところが豈図らんや、会場は入り口から長蛇の列。
画の前には幾層にも人垣が出来ています。
 そこでリスト片手に飛び飛び鑑賞を決め込みました。
何といっても「エトワール」だけは外せません。
辛抱強く待って、踊り子数点はじっくりと鑑賞しました。
主役のバレリーナはライトの中で華やかに舞っていました。
広げた両手、白い衣装の動き、首の黒いリボンの流れ
全てに躍動感がみなぎっています。
 楽屋や舞台の袖、練習場の踊り子達からは若いエネルギーが
ほとばしり出て、緊張感も伝わってきます。
ドガが魅せられた理由がほんの少し分かる気がしました。
 飛び飛び鑑賞は、観たいものだけ観ましたから
心に強い印象を残し、正解でした。

 Kihachiでのおいしいステーキ、
清月堂の抹茶と和菓子とで仕上げをして
今日の「閑」は幕となりました。