春まだ浅く

 少しずつ温もりが募ってきて、
心も体もほっとしかかったところに
どっと寒が戻ってきました。
 今朝は零度、又外に薄氷がはりました。
最高気温でさえ6度ということです。
相も変わらず、お日様マークと雪だるまマークとが
くっきりと別れた全国の週間天気予報です。
 春の香りは微かに漂うものの
ずいぶんと控えめな香りです。


 昨日も寒い土曜日でした。
コートの下にも厚着をして、午後のコンサートに出かけました。
墨田のトリフォニーホールでの
「リヒトクライス」の17回演奏会です。
 ご存知の方も多いことと思いますが、
高田三郎先生の音楽作品を5つの合唱団の方々が参加して、
歌うコンサートの集いです。
 親しくしていただいているOさんご夫妻からのお招きで、
このお二人が出演なさること、
トリフォニーホールのパイプオルガン独奏が聴けることと
伺う楽しみが倍増でした。
 開場30分前にはもう入場待ちの長蛇の列。
ファンの多さに驚かされます。
広い会場がほとんど空席の見えない、大盛況振りでした。


 男声合唱を聴く機会は多いのですけれど、今回の演奏会は
女声、混声、男声合唱から成り立ち、出演者の年齢にも幅があり
層の厚さが伺えます。
女声合唱「マリアの歌」の清らかさ、やさしさ
男声合唱「戦旅」の命を見つめる鋭さ、悲しさ
心に語りかけるような歌声が印象的でした。
そして混声合唱水のいのち」。
大好きなこの曲が混声合唱で歌われるのを、実は始めて聴きました。
男声合唱の深々として静謐な「水のいのち」が好きですが、
この度拝聴したそれは、私の知る「水のいのち」に
更に広がりとやさしさが加わり一層深いものとして
心に響きました。

 Oさんご夫妻が、同じ舞台で同じ作品をいきいきと
歌い上げていらっしゃるご様子が素敵でした。
 そして、男声合唱ばかりに拘っていた私の目を
混声合唱へとパッと開かせていただく機会ともなりました。