季節のためらい

 バレンタインディの夜半に雨が雪に変わり
15日の明け方まで降り続きました。
新聞を取りに出ると、階段に盛り上がっている雪に
足を取られて歩くのもままなりません。
直ぐに厚着をしてブーツを履き、雪掻き開始。
外階段、車庫の前、門扉周辺を歩きやすくするのに
二時間掛かりました。厚着の下は汗ばむほど。
積み上げた雪は昨日まで道の隅に消え残っていました。


 今朝は屋根を叩く激しい雨音に目覚めました。
それが突然止んだと思うと、今度は強い日差しの到来。
タイミングよく外出日和になったところで家を出ました。
大好きなパイプオルガンの演奏を聴くためです。
オペラシティホールでモニカ・メルツォヴァの演奏です。
バッハに傾倒していたというメンデルスゾーンのフーガ、
心がずんずん揺さぶられて背中に戦慄が走りました。
体中がすっぽり音に包まれるような
この感触がたまりません。
4段の鍵盤を押し、同時に音栓を操作する手の巧みな動き、
足鍵盤の上を絶えず移動する足の動きを
響きに耳を傾けながら、
スクリーン上に目で追いました。
1時間に満たない演奏でしたが、大満足でした。


 外に出ると北風が渦巻くように吹き荒れていました。
明日はまた気温が下がる由。
季節が冬と春の間で揺さぶられています。