重い空に枯れ枝が広がって

ここはまさに冬の世界。
空はどんよりと重く、空気は身を切るようです。
家を囲む林の木々の根方は雪に埋もれ、
松の緑が点在する以外に彩りもありません。
雪がすっかりなくなるのはあと一カ月以上も
先のことになるでしょう。
雪がないと喜んだのは空港だけのことでした。
気温は昼間でも零下の日々です。
でも家の中はどこの部屋も同じ温度、みな半袖です。
どこの建物の中も、のぼせるほどの暖かさ、
アメリカという巨大な国は、こうして膨大なエネルギーを
躊躇いもなく消費しているのですね。


Noahは昼間はday-care centerに通っています。
子供たちの自己主張の強さ、行動ののびやかさ、
良しあしでなくとにかく違いを感じます。
はにかむことなく大人に対等の口をききますし、
先生をSusanなどど名前で呼んで親しんでいます。
制服は勿論なく、遊び着に着替えたり、靴を上履きに
履きかえたりもありません。
帰りの遅い母親の代わりに、Noahを pickに行くのは
私の役目。これが結構面白いのです。


外の寂寞とした風景を補うように
St. Patric's Dayの、クローバーの模様とグリーンカラー
が店先を彩っています。
次の出番のEaster tree も、もう店頭に並びは始めました。
温室の中は、春の彩りが溢れんばかりです。
ひたすらに春待つ思いの切実さが、
この極寒の地に身を置いてみると、
自分のことのように分かります。


3月10日(木)11時15分(ボストン)