文月のお茶の会

 何時までも居座る梅雨にそろそろ退散願いたい気分です。
今日も曇り。最高気温33度、湿度86%の予報。
文句のつけようのない梅雨条件です。
 こうした時には涼しげな演出をするのが母の習いです。
つららと名付けられたガラスの花入に、
母が7種の花を活けこみます。掛け軸は瀧。
  
これが床の間の佇まい。

棚は瓢のくり抜き。茶器は龍玉、水指は朝鮮唐津

茶室の全景はこうなりました。


2か所に分けたもう一方の点前座は、冷水点。
氷をたっぷり入れたガラスの水指、水指の蓋は八つ手の葉蓋です。

ガラスの茶器と茶碗

菓子器もガラス。

義妹手作りの団扇も涼を運んでくれます。


「外は凄い暑さ、でもここは別世界」と
訪れるお弟子さん方はほっとした顔つきをなさいます。
早速に、冷たいお茶が供されます。
母の言う「もてなしの心」とは、
常に相手の状況を察して、そっとそこに手をさしのべる
「相手の心地良さだけを願う配慮」ということなのでしょう。


暑さからも雑音からも離れて爽やかな4時間が流れ、
「みなさんにお会い出来てうれしかったわ。
9月にまた元気なお顔を見せてくださいね。」
の母の言葉で会は閉じられました。
今月94歳を迎える母。その和やかさがお人を誘うお茶の会です。