季節の移ろい

 朝の内は霧雨にけむっていた庭に、
久しぶりに陽が射しました。
待ったなしに蝉の大合唱です。
暑さも一緒に戻ってきましたけれど、
かってのからみつくような
空気は遠のきました。


 カメラ片手に庭に出てみます。
風はさやさやと心地よく、
陽射しもいくらか和らいでいます。
木々の枝や葉の裏のそこここに、
蝉の抜け殻がしがみついています。
バッタが跳ねていたり、
トカゲの子供が走り回っていたり
クロアゲハがゆうゆうと舞っていたり
光の中で命が踊っています。
碧い空を綿菓子のような雲が流れていきます。

ハナミズキの高い枝に、ほんのりと色付いた葉が、
透き通って煌いています。

未だ青々とした木々の実が、

赤く熟れるのも、もう直ぐでしょう。


次の季節の足音が、ほんの少し大きくなってきたようです。