台風12号

 とてつもなく大きくてのろまな台風(時速10㌔)が
日本中を大風と大雨の渦に巻き込んでいます。
台風12号は間もなく高知に上陸とのこと、
これから瀬戸内、中国地方を突っ切って
明日の朝には日本海に抜けるとニュースが告げています。
宇部に電話をしてみました。今は静まっているそうです。
こちらはと言えば
雲が早足で走っています。
青空がチラッと見えたりもしています。
時折ザーッとまとまった雨がやってきて、
パタッと静かになります。
風もがたがたと騒がしく、
時折何かが当たってドンと大きな音もしています。
豪雨を伴って、河川を氾濫させ、堤防を決壊させ、
大勢の方々が避難を余儀なくされています。
手も足も出ないこの大きな天災の下で、
ただ被害が最小限度に止まるようにと祈ることしか出来ません。
地震や台風のこの膨大なエネルギーを、
いつの日にか有益な方向に活用することは可能なのでしょうか。


昨日の午後、
大好きなブラームス交響曲3番を聴いてきました。
私の好みをよくご存知の夫の友人の方からのご招待でした。
新日本フィルハーモニー交響楽団
すみだトリフォニーでのマチネー名曲コンサート。
プログラムは
ブラームス/ピアノ協奏曲第1番 ニ短調
         交響曲第3番 ヘ長調
指揮者はクリスチャン・アーミング(Christian Arming)。
ピアノは清水和音


ピアノ協奏曲:ダイナミックで力強い演奏は
聴いていても見ていても楽しいものでした。
毒舌なども含めて話題の多い清水さん。
聴いたのは始めてでしたけれど、情熱的な演奏が素敵でした。
指揮者のクリスチャン・アーミングには、
1994年か5年頃に、タングルウッドで会ったことがあります。
まだ20代の初々しい指揮者でした。
新日フィルの音楽監督に就任したのは2003年。
小澤さんの期待を担う気鋭の指揮者は、今40歳です。
まことに若々しく颯爽とした出で立ちで、
躍動的でメリハリのある指揮ぶりでした。
もっともブラームス3番を聴く時の私は、
細かいことはもうどうでも良くなって、
あの抒情豊かな旋律の中に息づく控えめな情熱と哀愁、
そのたおやかな世界に埋没してしまいます。
40分前後の至福の時でした。


外に出れば別世界。台風が徐々に近づきつつあって、
なにやら怪しげな風が、並木を揺すっておりました。
台風12号海上から陸を狙っていたのでした。