長月のお茶の会

 陽射しは眩く、日中は30℃になる日が続いていても、
もう風の匂いが違います。
今日の日の出は5時18分。昨日は17分。
一歩二歩と秋方向です。
今日は久しぶりのお茶の会。
萩を持って行きたかったのですけれど、未だちらりほらり。
ほんの少し色付き始めた紫式部
ピンクの桔梗を摘みました。
主菓子も桔梗。
お茶の数合わせは奇数ですから、もう1品桔梗がほしいところ。
そうそう桔梗を絵付けた蓋置がありましっけ。


 8時半タクシーで家を出ます。大きな袋を抱えて門をくぐると、
義妹が飛び出して来て、荷物を持ってくれました。
茶室には義妹の手で棚が整えられ、
床には「茶」の軸が掛けられておりました。

棚は亀甲棚。茶器は秋草。水指は桶川。

お茶を入れ、
 

花を活け、


菓子を盛り付けます。
 
主菓子:桔梗    

胡桃クッキーとココナッツ餅(中国土産)
釜に火を入れて、茶室が出来上がりました。

ここで一服。昨日中国から帰ったばかりの弟の
刺激的な話に盛り上がっていましたら、
お弟子さんが見え始めました。
そして次々に懐かしい顔ぶれが揃い、
茶室は9名の賑わいになりました。
お天気が良すぎて、少し暑い位です。
夏休みを挟んで2か月ぶりの稽古でしたけれど、
みなさん手の動きはすらすら。時間の空きが感じられません。
重ね茶碗点前、お扱いの蓋置を使っての点前、棚飾りを替えての点前と
みなさんそれぞれに工夫して、稽古をなさいます。
お点前の後は、お茶を、お菓子を、おしゃべりを楽しんで
今日も穏やかな時間が流れて行きました。


 「先生は本当にお元気そう」と皆さんが喜んで下されば、
「みなさんのお元気なお顔を拝見すると私も元気になれるのよ」と
母が返します。
何十年も母の許に通って下さっているみなさんと
母との間に通う、この親しみとやさしさに充ちた空気を、
私は時に妬ましくさえ思います。


 茶室のぬくもりは、こうした人の和からにじみ出るものなのですね。
母から学ぶことは、いつまで経っても終わりがありません。