石蕗の咲くころ

 ある日突然庭の片隅から
ぱっと目立つ黄色のサインが目に入って、
石蕗の花の開花を知ります。

庭の塀沿いに自生して自然に増えていった石蕗は、
日影が好きなのか決して目立つ所には姿を現しません。
でも気が付けば、大きな葉は夏も冬も濃い緑を保って、
庭に安らぎを与えてくれています。
そして年に一度、
一週間ほどの間だけその存在を際立たせます。
 石蕗の黄色い花の訪れは秋が本物になった証です。
ピラカンサの実が真っ赤に色ずき、

ホトトギスが庭いっぱいに咲く時期に重なります。

 これが合図のように、私は花壇の花達の植え替え作業に掛かります。
一度には到底できませんから、人目に付く道沿いの花壇の
傷んだ花から替えていきます。
 今日はベコニアを抜いて、ガーデンシクラメンを植え、
コリウスをノースボールとビオラに替えました。
庭の宿根草花壇の穴のあいた所には、菊や西洋撫子を補い、
夏の名残の雑草を少し抜いて家に入ると、
2時間が経過していました。
 じっとしていれば少し涼しすぎる気候は、外の作業には最適です。
行きつ戻りつしながらも、
季節の足取りは寒さに向かって歩を早めているようです。
カレンダーが薄くなりました。
                       10月21日記す