小春日和

 陽射しが戻りました。
気温の高い日が続いて、花達は夏気分のようです。
花数も彩も増やして、ご覧のように華やいでいます。



 石楠花の葉が抱えた雨露が、陽射しにキラキラしています。
朝、お日様を見た日とそうでない日とでは
一日の気分の張り切り方が違います。
おまけに今日は昨日、一昨日の余韻も加わって良い気分倍々増です。


 夫がそのお仲間と作っていたコーラスグループがありました。
その頃の彼らの十八番だった「月光とピエロ」の
それはそれは素晴らしい演奏を聴く機会に恵まれました。
昨日の慶応ワグネルソサイアティOB合唱団の
定期演奏会でのことです。
曲目は
唱歌の四季
男声合唱組曲「月光とピエロ」
男声合唱組曲「Enfance finie~過ぎ去りし少年時代~」


唱歌5曲は、耳にも心にも馴染んだものばかり。
唯々心地良く、楽しく聴きました。


そして「過ぎ去りし少年時代」。
三好達治の切々と心に迫る詩とやわらかな歌声が融合して
甘く切ない雰囲気を醸し出しておりました。


 でも私には「月光とピエロ」は特別の存在です。
そして、その演奏のなんと素晴らしかったことか。
懐かしさと感動で涙が溢れ、零れました。
朗々たるその響きの豊かさ、深さ、そしてメリハリの巧みさ、
歌い込んですっかりご自分のものになっている
ゆとりと自信が曲にいっそうの厚みを加えていました。
みなさん暗譜で歌っていらしたのです。
 そして指揮者:平野忠彦さんの掌握力。凄味がありました。


 「練習の甲斐があった」とメンバーのお一人Fさんから伺えば、
厳しい練習を繰り返されたことが覗えます。


 人を幸せに出来るほどの演奏は、やはり見えないところで
積み重ねられたものの中から生まれるのだと改めて思いました。
 自分のために、そして人のために精進に精進を重ねて、
一芸を極める方達はやっぱり本当に凄いです。
その才能、羨ましい限りです。