紅葉狩り

 気温は急に下がりましたけれど、
良く晴れた行楽日和です。
今までが暖か過ぎて、体が怠けてしまいそうでしたから、
季節らしい気温の方が私は好きです。


 幸運にも打ってつけのお日和に、箱根への
紅葉狩りが重なりました。
母、二人の義妹、私、みんな日頃の行いが良いということなのでしょう。
10:01amのロマンスカーを押さえました。
ホームで落ち合って、3号車に4人向かい合って座ります。
母はたいそう顔色が良く、
とても楽しみにしてくれていたのが伝わります。
 小田原駅の近くに母の母が眠るお寺があります。
進行方向に向かって右側の
触れられそうな位置にそのお寺の墓地があるのです。
ここで母は何時も手を合わせて、お参りしています。
祖母は1923年関東大震災の時、6歳の母を遺して旅立ちました。
87年前の出来事を母は今でも昨日のことのように語ります。
 11:04am箱根湯本到着です。
直ぐにタクシーに乗り込みました。
車はまだ珍しいブルーカラーの電気自動車。
途中で、お目当ての三河屋の蓬莱園に
立ち寄ってもらい、見事な彩りを堪能しました。

今年は、昨年より紅葉が1週間ほど遅れているとの運転者さん情報です。
でも鮮やかな紅に黄色と緑が混じった楓林の繊細な華やぎは、
紅一色の景色よりも、私にはよほど好ましく見えました。
そして箱根美術館を上から眺め、

後は一路昼食の場所、箱根プリンスへと向かいます。

 湖を目の前にした、レストラン、トリアノン
母のお気に入りの場所です。

昼食はやはり母の好みのフレンチで。

ゆっくりと食事と会話を楽しんでいる内に何時の間にやら
2時を回っていて、約束は大幅遅れ。
2時20分、大急ぎで迎えのタクシーに乗り込みます。
 箱根神社で、娘の分と2本おみくじを引きました。
私は大吉。やはり気分は良いものです。
くらかけ峠から眼下に広がる富士を背にした芦ノ湖を眺め、

大満足で帰路に着きました。
 駅のお土産物屋さんで、お茶の皆さんへのお菓子を求め、
4時18分発箱根32号の乗客となりました。
窓から暮れゆく街を眺めている母に
「夕暮れ時は淋しい気持になる?」と訊ねてみましたら、
「いいえ。みんな一緒にこんなに楽しい思いが出来て、
淋しいわけがないでしょ」と母の笑顔が返ってきました。
 
                   11月9日夜記す。