篠突く雨の中で

 天気予報が見事に当たって、晩秋にしては珍しく
激しい雨の朝になりました。
ひめしゃらの照り葉がたたき落とされて、
道に張り付いている様を横目に、家を後にしました。
夫の友人が所属する
コーラスグループ「アリババと15人の盗賊」の演奏を聴きに。
会場はサントリー小ホールです。
東北沢で人身事故があって、電車はまことに不規則な走り。
ニュースで知って、早めに家を出たのは正解でした。
代々木上原で友人と落ち合い、会場近くのANAホテルへ。
ロビーには大きなクリスマスツリーが聳え立っておりました。
我が家はまだThanksgivingなのに、街は何処もかもクリスマス。
ゆっくり時間をかけてお寿司を楽しみ、会場に着けば、
席はもうほぼ満席、いつもながらの人気です。
 15名は慶応のワグネルソサイアティ出身者、
そこに早稲田グリークラブの一人が加わった
実際には16名のメンバー編成です。
二十数曲のポピュラーな曲を演奏するメンバーも
心から声援を送る会場のファンも本当に楽しそう。
まとめ役の宮島さんの編曲や作詞がウイットに富み、とても素敵。
夫の友人石島さんは、持ち前の澄んだテノールを、
ちょっと意外な「天城越え」で響かせて、喝采を浴びていました。
年を重ねる毎に、声の伸びや高音に
辛さが見える方もありましたけれど、
それを越えるぬくもりや連帯感が会場を満たしているようでした。


 コンサートの帰り道、
車の中から見る六本木、乃木坂周辺は、
もうすっかり暮の装い。
東京ミッドタウンのクリスマスツリーが
篠突く雨の中に滲んでおりました。