冬の彩り

 年が明けてもう5日目。
時の早足はますます速度を増しているようです。
一日一日を心して生きているかしら?と
自分に問いかけてみれば、はなはだ心許ない気がします。
東京は今日も快晴。庭がうっすらと白いのは霜のようです。
枯葉色の庭に鮮やかな点々を散らしているのは万両の実。
千両は小鳥が啄んで青葉だけになりましたのに、万両は健在。
小鳥たちが残してくれた、私の大事な冬の彩りです。

 
 きのうは春の音楽を味わいました。
ウインナー・ワルツ・オーケストラの演奏会でのこと。
オペラシティホールの舞台は春の花々で美しく飾り付けられ、
雰囲気からして年末とは大違い。
ヨハンシュトラウス一世、二世の曲を中心に、
ドヴォルザーク(スラブ舞曲第8番)、
ロッシーニセビリアの理髪師
フランツ・レハール(メリーウィドウ)等々
よく知られたワルツ、ポルカ、スラブ舞曲のさわりの部分を
軽やかに演奏して聴かせてくれました。
曲が変わるごとに、それぞれの曲に合わせて
コスチュウムを変えて現れるバレリーナの華麗なこと。
容姿抜群の踊り手はアイマスクをしてもティアラを付けても
しっくりと似合って、
優雅なワルツ、リズミカルなポルカを舞っておりました。
最後の曲は「美しく青きドナウ」、
アンコール曲はもちろんラデツキ―行進曲と
約束通りにプログラムが進んで、マーチと聴衆の手拍子の大音響が
会場いっぱいに響き渡りました。


 今日は築地の初競りだった由。
大マグロが5649万円で競り落とされたと景気の良いニュースが
流れています。
NY株式は高値で引けた由、今日の東証は小動き、
円は76円〜77円を行ったり来たり。
帰省ラッシュも収束して、
そろそろいつもの生活が戻ってきているようです。

 
 万両の写真を撮ろうと庭に出てみましたら、
ヤマボウシの最後の一葉が消えていました。
でも良いこともあったのです。
南に周った陽射しを受けてフェンス沿いのつる薔薇が一輪
返り咲いていたのです。

しょげかけていた心に、ぽっと灯りが点きました。