小正月

 体を突き通すような空気の冷たさです。
今朝7時の気温は−0.5℃。息子と高尾へ向かいます。
一ヵ月ぶりの墓参でした。
高尾の気温は−1.5℃。浄めの水を掛けた墓石は、瞬時に氷に覆われます。
手が悴んで、線香に火がなかなか点きません。
お参りは、石段の下でしました。
敷石がスケート場状態で上がれなかったのです。
これほどの冷たさはここ数年忘れていました。
家に入った時の安堵感、体がほぐれて行くようでした。
節分まであと3週間、もう少しの辛抱ですね。

 
 今日は小正月
女正月、二番正月といろいろ呼び名があるようです。
「大忙しだった年末年始が終わって、女の人がおおっぴらに
骨休みの出来る日」と夫の母は言っておりました。
確かに夫の郷里のお正月は女性が大変でした。
暮の大掃除から買い出し、料理、
年が明ければ、大勢の年始客へのおもてなし。
料理とお酒を用意して、そのお給仕も
全部女性の仕事でした。
母が目まぐるしく立ち働き、年始客、特に酔っぱらいの男性客を
上手にもてなし、時にさりげなくあしらっている姿を
私はいつも驚嘆して眺めておりました。
お酌一つ出来ない私が、「気の利かない、可愛げのない嫁」と
不評を買っても、母がサッと引き受けて、取りなしてくれました。
男性は年末は暮のご挨拶まわり、年始は初詣と年始回り、
そしてお客様の接待は一緒に食べて、飲んで、歌ってです。
私は無愛想な上に、始終憤慨している嫁でした。
でも母は笑顔を絶やさず、いつも着物姿で凛としていました。
かっての芯が強く、慎ましく、働き者だった先輩女性の方々にとって、
女正月は、年に一度の公休日、そしてご褒美だったのかもしれません。
私のように楽をして暮らしている人間には女正月を祝う資格は
無さそうです。


 薄曇りだった空に陽射しが戻ったのを機に、
寒の中の春を探しに庭に出ました。
沢山の蕾に囲まれて、乙女椿の一番花が綻んで、

紅梅の小さな花芽にはちゃんと紅も宿っていました。

小鳥の数が増したのは、春のめざめの予兆でしょうか。