春光やさしい知川庵

 空が靄っています。風もなく穏やか、
番の鳩が芝の上をひょこひょこと歩き回っています。
今日は祭日、建国記念日だそうです。
私にとってはとても印象の薄い記念日ですけれど。
梅の咲く頃にやってくる休憩日といった程度の。
日本書紀が伝える「神武天皇即位の・・・」起源が遠すぎはしませんか?
 でも息子がやって来てくれました。
セルモーターの不良で修理に出してしまった車の替わりに
足を提供してくれるために。
これから買い出し、お昼にはおいしい牛肉の
関西風うどんを作ってくれるのだとか、お休みさまさまです。



 昨日は久しぶりに、母主催のお茶を楽しむ会がありました。
出席者9名、盛会でした。
如月は梅の月、道具もお菓子も梅づくしです。
足踏みばかりの春を呼び込みたい思いもあって、
水屋には春の道具が並んでいます。
梅に因んだものをあげてみますと、
先ずは床の間。軸は梅画賛。
花は紅梅の蕾と寒椿。

水指はねじ梅。

茶碗と茶器。

そしてお菓子は紅白梅林。

茶釡も梅づくし
釡蓋のつまみ、

そして釡の地肌にも梅が浮き出ています。

釡の前に置く風炉先屏風の絵柄も梅。

全部で9種の梅が揃いました。
お茶では数値は常に奇数になるように心掛けます。


 母は終始穏やかな笑顔、そして
社中の皆さんから伝わる活気と華やぎが
春を呼び込んだのでしょう。
やさしい陽射しが奥まで届いて、
茶室は春のような暖かさとなりました。