入道雲に出会う頃

 車で走っていると、勇壮な入道雲が聳え立っているのを見ることが
しばしばあります。その写真を撮りたいのです。
でも帰宅して見上げる空には入道雲の頭しかありません。
庭木やよその屋根やアンテナが邪魔をして、聳え立つ様が
掴みきれないのです。
雲がもっと大きく育てば、或いは自分がもっと高い場所に立てば
何ものにも遮られない入道雲が手に入るのでしょうけれど。

この夏の間に、力強い入道雲を捕まえたいと思います。


 毎年母と弟の一家は夏のかなりの期間を蓼科で過ごします。
別荘地帯は整理されていますけれど、自然が生かされていますから、
足元は平らでない所も、坂もあるのに
母は信州に行くと俄然元気になって、歩きっぷりまで良くなります。
昨日は自然石の石段を上って、先祖の墓参をしたと義妹から聞きました。
父の生まれ故郷、八ヶ岳の雄姿、澄んだ空気、涼やかな風、
元気になれる要素がいっぱいの信州ですから。


 昨日その母から高原野菜が沢山届きました。
高原の彩りと香りをたっぷりと蓄えた野菜たち、昔なじみのもの
珍しいものと、とりどりです。

ロマネスコ(ブロッコリーとカリフラワーから生まれた)は昨年あたりから

我が家の好物に加わったもの。
コールラビはコール:キャベツとラビ:蕪、キャベツの仲間だそうですが、
この度初めてお目にかかりました。
サラダに入れたら甘くてサクサク、絶品でした。
籠に載せて写真撮影を試みましたが、品物が沢山すぎて、

特大のズッキーニと”ていざなす”が画面からはみ出してしまいました。
溢れるほどの高原の幸です。


 ボストンに居る娘の5歳になった息子ノアが、
この度心臓の手術を受けることになりました。

心臓に4つ穴が空いた状態で生まれた彼は、そんなことを忘れるほどに
元気に成長してくれました。
二つの穴は自然に塞がりましたけれど、残りの二つをこのままにするのは
年齢的に限界という判断を医者は下したようです。
手術を受けるChildren’s Hospitalには子供に分かり易く手術の内容を
説明する専門家がいるそうです。
その説明で納得したのでしょう、今朝スカイプで話したノアは
いたって快活に、
“Today I went to a hospital and got a shot on my arm
but I didn't cry. I am going to the hospital tomorrow again”.
と私に説明しておりました。
手術開始はボストン時間の3日の午前7時から、日本時間の午後8時です。
今はもう8時半、そろそろ準備が進んでいる頃でしょう。
ノアの守は、夫と父に託して、私はただ祈るばかりです。
全てが順調に進みますように、
今までよりももっと元気なノアになりますように、
彼はこんなに辛い思いに耐えたのですからと。

明日の朝には良い報せがやってくることでしょう。
今夜は彼らに心を添わせて、共に過ごします。