涼風立つ蓼科で

 マリーゴールドの黄色の鮮やかさ、
アイビーゼラニュームのピンクの華やかさ、
高原の花は都会の花と透明感が違います。
きっと陽射しも風も澄んでいるからでしょう。


 母と末の弟夫妻が滞在している蓼科の、
そこから遠くないホテルで数日を過ごす予定を立てました。
ところが出発当日の早朝、義妹から母の入院の知らせが入り、
昼の特急を待たずに、すぐに車で発つことになりました。
近くに住むすぐ下の弟夫妻と一緒に。
道中は早朝とてガラガラ、
途中でちょっと休憩した初狩の空気は爽やかでした。
でも、車の中の会話はちっとも弾まず、
とてもドライヴ気分ではありません。
8時に病院へ着き、恐る恐る病室に顔を出しました。
心配した母はにこにこ顔で私達を迎えてくれて
「遠いところから悪かったわねえ」といつもより元気なくらい。
軽い肺炎を起こしての入院でした。
母の子供とその配偶者、孫、そして信州に滞在中の甥、姪、
総勢8人もの顔ぶれが揃って、
母は「まあみんなに会えてうれしいわ」と上機嫌。
一気に心配が吹き飛びました。


 午後一旦チェックインをしにホテルに行きました。

広々とした敷地、アルプスのロッジを思わせる建物と


木製の調度品、そのすべてがとても気に入っているホテルです。
母の様子を見にもう一度病院へ戻り、
更に安心して帰って少し遅めの夕食を。
玄関わきにある燻製小屋で作るスモークドサーモンが絶品でした。

明朝のスモークドベーコンも楽しみ。


母への心配も減って、私はシャワーを浴びて早々とベットへ。
息子は温泉に入ってから、バーでバーボンを一杯味わってくると
出かけて行きました。
物音一つしない高原の夜に安らぎを感じています。
 
8月5日の日記より