高原の秋

 窓から入る冷気に目覚めました。
朝5時40分、蓼科高原の今朝の気温は17℃。
さらさらと澄んだ空気は、爽やかで、
涼しさを通り越して寒ささえ覚えるほど。


 弟の家族と母が毎夏を過ごす山の家は、
茅野駅から車で30分ほど、三井の森と呼ばれる
カラマツ林の中の住まいです。
 お盆前まで賑わっていた家々は、今はほとんど雨戸を閉ざし、
夕暮れて走れば灯りの漏れない林は闇に沈んで淋しさが募ります。
ここ数日変わり易い天候が続いて、
大きな雲がもこもこと空を覆い
山々もなかなか姿を現してくれませんでした。
でも今朝は木々を通して明るい陽射しが林の奥まで届いて

良い天気は保障付です。
 新鮮な高原野菜や果物の、豊かな朝食を済ませて、
義妹の運転で家を出ました。母を見舞うために。
その道すがら眺めた空は限りなく碧々として、
実りを見せる稲穂がゆたかに青々と広がっておりました。

 陽射しが強すぎて、目的の朝の八ヶ岳は撮り損ねましたけれど、
八つを背にして撮った守屋山とそれに続く杖突峠の曲線は
穏やかでした。


 窓を開けて走る蓼科エコーラインの両脇には
ニッコウキスゲのオレンジと月見草の黄が、
陽を受けて、煌いておりました。