秋に一歩を踏み出して

 9月入りの日に雨になり、
昨日もかなりしっかりと降ってくれました。
草木が生き生きと元気になり、空気が少ししっとりとして
水遣りの手間も省けてと、良いことづくめ。
今日もその余韻が残っていて、時折ざっざっと雨が来て、
また青空が見えてと気まぐれ天気が続いています。


 今日は一年ぶりの、N社・OG会定例会。
かって同じ会社に籍を置いた、
私の学年を挟んで上と下、計3学年の大卒女子12名
(当時、4万人の従業員の中に、
女性の専門職はたったそれだけしかいなかったのです)
がメンバーです。
今日集まったのはその内半数の6名。
ご本人が体調のすぐれない人、
家族に病人がいる人、
気持があっても出られない人が多くなりました。
私が母の肺炎と無事復帰の話を、うれしさもあって、
ちょっと得意げに話しましたら、
「私の母も95歳」、「私の母は99歳」と
もっと景気の良い話が次々登場して、
90歳代で元気な方は珍しくはないのだと知りました。
90歳代と云えば明治の末期か大正生まれ、
この時代の方達は、心身(特に足腰)を鍛え上げ、
体力、忍耐力、精神力を内に秘めた、
強靭な方達が多いとみえます。
戦争体験者でもありますし。
それに引き替え、
”車社会で楽な生活をしてきて軟弱な私達”はという話になれば、

如何に老後を自分らしく、人間らしく、心充ちて過ごせるかが
最大の関心事となります。
体の健康に関連しての老人医療の話、介護保険の話、
そして心の健康に関して自分の生きがい、趣味の話、
キリがありません。
3時間は瞬く間に過ぎて、
別れの決まり文句は「来年も元気で会いましょうね」。

何より有難いことは、価値観を同じくする同じ世代の仲間の存在です。
話の内容はうきうきしたものではないものの、
心は何とはなし和んでいます。


 家に帰って眺めた庭にハナミズキの照葉が
少し色増しているように見えました。

濡れたサンダルを拭って庭に出て、
振り仰いだ顔にまた雨粒がポツリポツリ。
風が少し出て木の葉を揺すり、夏は影を潜めておりました。