秋分の日

 玄関ドアを開けて一歩外に出て、おやっと思いました。
ずっと慣れていた「もやーっ」とした空気が一掃されて、
外は爽やかな空気に変わっていたのです。
雨がたっぷり降って、木々も草々も生き生きしています。
本当に長い夏を通り越して、ようやく秋を実感できた朝でした。


 10月始めに、山口宇部に住む姑の白寿の祝いがあります。
その会に娘がボストンからとんぼ返りで参加することが
急に決まりました。
朝一番で娘の宇部への航空券の手配と
それに併せて私の分の取り直し作業、
希望通りのティケットが取れて安堵しました。
何しろ娘は10月8日に山口宇部→羽田→成田→ボストンと
強行軍ですから、時間合わせがなかなか微妙です。
羽田、成田間のリムジンバスも含め
何とかうまく時間のやりくりがついて、
希望通りのティケットが入手出来たのはラッキーでした。


 気がかりが片付いて、
ほっとして出かけた先はANAインターコンティネンタルホテル。
サントリーホールでのコンサートの前に
友人と昼食を摂る約束がありましたから。
ロビーカフェでクラブハウスサンドウイッチと

生ハムルッコラのピザパイを友人とシェアしました。
今日聴いた清水和音さんのピアノ演奏は、
ショパンシリーズでした。
ほとばしるような力強さ、激しさ、
そしていたわるようなやさしさ繊細さ、
柔軟で変化に富む演奏は実に歯切れが良いのです。
バルカローレ、バラード、スケルツォと全9曲を
10分のインターミッションを挟んで弾ききりました。
最も彼らしい華麗さを感じたのはスケルツォの第一番ロ短調
サントリー大ホールをほぼ埋め尽くした聴衆を酔わせるに足る
力強い演奏でした。


 その気分を抱えたまま外に出れば、
ARK Hillsのビルの狭間に
夕暮近い空が鱗雲を抱えておりました。