肌寒ささえ覚える日に

 曇り空からぽつりぽつりと水滴が落ちることもあって、
あまりすっきりとはしない日曜日になりました。
荷物になるので傘は持たずに、10時過ぎ家を出ました。
友人とは代々木上原の駅で待ち合わせ。
ホームを抜ける風に、薄い上着の袖を通して
冷たさが突き抜けました。
はっとするほどの冷たさ、今秋初めての感覚でした。


 乃木坂からタクシーで10分、
サントリーホールはオペラシティホールと並んで、
まことに足の便の良いコンサートホールです。


今日の目的は「ウィーン音楽散歩」、
パイプオルガン演奏会です。
あのお腹の底に響くようなボリューム感のある厚い音色が好きです。


 2時からの演奏会に備えて、先ずは昼食。
ANAコンチネンタルホテルでお寿司をつまみます。
今日のヒットは、さよりのにぎり。

場所を替えてマロンのロイヤルミルクティで仕上げです。

丁度頃合いの時間になって、コンサートホールへ。
また雨が少し顔に当たります。
会場は今日は空席が少し目につきます。
オーケストラの時とは雰囲気も聴衆の顔ぶれも
年齢層も異なるようです。
クワイヤーに伴奏の弦、吹奏楽器、そしてオルガン。
教会の日曜礼拝のような雰囲気から始まりました。
お腹がくちくて気分が良ければどうしても睡魔が襲ってきます。
前半はトロリとろりと過ごしました。
 でもウイーンから来たオルガン奏者ペーターさんのオルガンソロは
迫力がありました。
会場に響き渡る力強い音色は、ぐいぐいと私の心にくい込んできます。

ことにFシュミットのオルガンのための前奏曲ニ長調
分厚い音がズーン、ズーンと押し寄せてくる感覚でした。


 最後の盛り上がりに大満足して外に出ると
まだ明るさの残るアークヒルズは小雨にくぐもっておりました。
カラヤン広場のアーケードの下が見たことも無いほどに
閑散としているのを不思議な思いで眺めました。