秋日和に目と耳を楽しませて

 今日は朝から雲が立ち込めて、10時過ぎる頃から雨になりました。
少し寒くて、今秋初めて床暖房を付けました。
寒さの厳しい土地にお住まいの方達に
申し訳ないような思いを抱きながら。


 今日に引き替え昨日は、穏やかな秋日和でした。
人ごみは少し汗ばむほどに。
7時に息子から電話が入りました。
PC修理の間、貸してあった私のPCの中に、情報を少し置き忘れたと。
8時頃やって来た彼が作業を済ませるのを待って、
車に便乗させてもらい家を出ました。
10時に新宿で友人と会う約束があったものですから。
混雑を回避しながら走る彼のおかげで、
一時間弱で目的地に着きましたから、
ちょっとコーヒーブレイクする間が生まれました。


 友人と会って直ぐに、開店したての小田急デパートの10階、
ニューイングランドの風IX2012」高鶴元展の会場へ直行です。
先生ご夫妻のお姿はまだなくて、会場いっぱいの鮮やかな作品を
ゆっくり拝見出来ました。


 ご案内状の表紙は掌にすっぽり収まりそうな8面の茶碗。

色は秋色オレンジ、黄色、それを引き立てるブラウン。
テーマは「秋の譜(うた)」です。
この度始めて拝見すると思えたのは、飲み口が角張った抹茶茶碗

後で伺えば、土の塊から形を掘り出していく過程は
困難を極めたとのこと、
一つの作品に一ヵ月の月日を要したとのお話でした。


 金銀で彩色をほどこされた姿やさしいパンプキン。
こちらも初めて目にする色合わせです。

床の間にそっと置いておきたい華麗さです。


 「雨林」と名付けられた大きなオブジェ、
その肌の深い色が魅惑的です。
雨を表す滴は、後から点描された由。
3回に分け、その都度温度も変えて焼かれたとのことです。


 一つ一つにテーマと物語があって、
先生、奥様のお話を伺っていると
その楽しさに引き込まれて時を忘れてしまいます。
次々に来客が見えるので、
気が気ではなくて一時間で失礼しましたけれど。
息子用に赤と濃いブルーのマグカップを一つ頂いて。


 会場からの続きに総武線錦糸町へ。
墨田トリフォニーホールで
新日フィルの定期演奏会の予定がありましたから。
電車の所要時間は24分なのに、
出口を間違えて大回り、思わぬ時間を取りました。
お昼は会場のお隣、東武ホテル24階の「Ren」で。
ウエイトレスが得意げに「良いお席をご用意しました」と
云うのを聞いて、始めて気付いたのですけれど、
目の前にスカイツリーが聳え立っておりました。

大きな窓ガラスのすぐそこに。


 メニューは「秋の彩」コースを。
どの器も秋色に溢れていました。
前菜

秋鮭、松茸包み焼


 ゆっくりとお昼を楽しんでから会場へ。席はほぼ満席でした。
曲目は、ワグナー「トリスタンとイゾルデ前奏曲」と
ベートーヴェンの「英雄」です。
予定の指揮者が病に倒れて、
替りに振るのは新進気鋭の指揮者ドミンゴ・インドヤン、
ヴェネズエラ出身の32歳とのこと。
長身のしなやかな体型からは想像できないほど
力強く切れの良い指揮ぶり、
団員との息も合っているのでしょう、「英雄」は力強く華麗でした。


 大満足して帰る道すがら、地上から見上げたスカイツリーは、
呆れるほどに大きくて、ちょっと威圧感もありました。