進みゆく季節に

 夜明けが遅くなりました。
小窓の外がまだ薄闇なのに安心して、
もう一寝入りなどしようものなら、
「わあ大変」という時間になってしまうこと請け合いです。
Daylight Savingが終わって、
ボストンとの時差は14時間になりました。
彼の地はもう冬が訪れているようです。


 昨日は高尾へお墓参りに行きました。
墓地の近くの花屋さんの前で、長男と合流して。
今日と違って、あっけらかんと明るい秋晴れ、
空あくまで高く、あくまで碧く。
穏やかな日差しの中で、
息子達が丁寧に石を磨き、辺りを浄めてくれました。
訪ねた私たちと彼岸の人とに隔たりが無くなって
皆が、心通い合っていると感じられる
しあわせなひとときを持ちました。


 帰り道、
正面に廻った陽射しが、こんもりとしたケヤキ並木の
照葉を分けるようにして、時折まっすぐに届きます。
秋の陽射しに包まれた高みの紅が、少しの風にも揺らいで
キラキラと瞬いておりました。


 空が明るくて、青々している日は、
「秋大好き」となるのですけれど、
今日のような曇り空、気温が10℃前後となると俄かに心細くなります。
景気づけにと、例年より早めに「豊穣の角」飾りをしてみました。

これから一ヵ月、この籠はリビングの一員です。
飾りと実用の兼用として。
こんな試みにも心はちょっと弾んでいます。