広く碧い空の彼方に

 冬空の喩えようもない美しさに見惚れています。
遅れてやってきたヤマボウシの照葉が、その空を彩っています。

 昨日、母はあの碧の中に静かに旅立って行きました。
ほほえみとぬくもりを、みなの心に遺して。
通夜も告別式も快晴でした。
雨の予報も前日には消えて、
名の如く、明るい日ざしが道を照らす昼下り、旅の途につきました。


 通夜にボストンから帰国した娘は、
その一夜、灯りを点し続けて、
祖母と心ゆくまで語りあっておりました。
幼い頃から曾祖父に心から愛されて成長した娘の
祖母に寄せる思いは特別のものだったのです。
ロウソクの灯りの許で、
母との別れの杯を酌み交わしもしました。

 
 僅か2泊しただけで、娘は今朝ボストンへ戻って行きました。
「ああちゃまと充分お別れが出来た。帰ってきて本当に良かった」の
言葉を残して。
成田11時40分発、同日9日の午前10時40分(日本時間夜中12時40分)
ボストン着。13時間のフライトです。
Noahがどんなにか心待ちしていることでしょう。
現地は雪とのことです。