寒さ日毎に募る頃

 朝起きぬけに床暖を付けます。
タイマーセットしていなかったことを後悔しながら。
朝の冷え込みが一入です。
気が付けば、体を小さくして歩いています。
このところヨガはやったりやらなかったり、
なかなか気合が入りません。


 油断をしていると、寂しさが忍び込んできます。
無防備に[おかあさまに電話しよ]などと思ってしまって、
はっと気づくのです。
どっと押し寄せてくる感情に押しつぶされそうになって、
必死に見ないようにするのです、自分の思いを。
そんな日がずっと続いています。
母の家を訪ねる回数が減りました。
あそこには母が元気で過ごしていると思っていたいのです。


 クリスチャンではありませんでしたけれど、
ミッションスクールに通った母は、
オルガンを弾きながらよく讃美歌を歌ってくれました。
子供心にもその清らかさに魅せられて、
何回も歌ってほしいとせがんだものです。

クリスマス・イヴに枕元にプレゼントが届く習慣も、
母の発案だったと後になって知りました。


 オルガンの音色が堪らなく聴きたくて、
今日はサントリーホールに出向きました。親しい友人を誘って。


G線上のアリア」、「主よ、人の望みの喜びよ」・・・
懐かしさに涙が溢れました。
バッハのオルガン曲は、ゆたかで、やさしくて
心の中がゆっくりゆっくりとぬくもっていきました。