ほのかに春の気配して

 朝6時半の空は雲がほんのり茜色、
両手を広げた梅の小枝に小さな蕾も見えました。

陽射しも風も心なしかやさしくなって、
春がちょっぴり近くなった心地する朝でした。


 大急ぎで買い物に行き、必要なものだけ手にすると
とんぼがえり、今日こそは仕上げたいことがあったのです。
茶の湯の道に真摯に向き合い、精進を重ねて、
もてなしの心を学び続けた母。
その母の姿を追って写し、記した茶室の情景を、
いくつかのコンテンツに纏めてあります。
それに少し手を入れて、全体を整理して、
間もなく七七忌を迎える母への記念にとずっと考えていたのです。
母にふさわしい表紙をと考えあぐねていましたら、
母の旅立ちの日に、伴をしていった白薔薇に思い至りました。
ここ数日、構成、色彩、サイズなどが頭の中で堂々巡り、
ようやく3日前に、実作業に入りました。
そして今日、ようやくアップです。

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 美しいものへの限りない憧れ、季節を愛で楽しむ心、
お人をもてなす心、器や道具の中に物語を読む術、
私の心の赴くことの全ての基に母の茶の湯がありました。

心からの感謝の思いを込めて、母に捧げるオマージュです。