さくらたよりもチラホラと

 暑からず寒からず
風が心地良い穏やかな一日となりました。
春は、やっぱりこれでなくては。
桜たよりがチラチラと聞こえてきます。
寒い冬だったのに3月に入って季節を越える暖かさが押し寄せてきて
俄かに花達が春支度に入ったもようです。
桜は慌て過ぎたのか明日にも開花しそうな様子とか。
いよいよ春満開となるのでしょうか。
待ち侘びていた紅い寒椿がようやく一輪咲きました。

くっきりとした緑と赤の取り合わせが爽やかです。
日本古来の花とのこと、
咲き方も散り方もすっきりしていて日本的、
メリハリがあるものに私たちは心惹かれるようです。


 昨日は、山口県立美術館、神奈川近代美術館に
展覧会用に貸し出すS. M.画伯の絵を送り出しました。
荷作りをするのは日通の美術品だけを扱う専門家2人、
それに立ち会う神奈川近代美術館の学芸員
絵の寸法を測って、絵に見合った箱作りから始まりました。
丁寧にクッションを配置して、絵を壊れもののようにそこに納め、

蓋をして紐を掛けて、その上からプチプチで何重にも包装、
荷作りに一時間半かかりました。
「一休みを」と声をかけましたけれど、
この後三鷹高田馬場と廻って山口まで戻るからと、
お茶を飲む間も惜しんでトラックは出て行きました。

 山口で4月に始まり、神奈川で9月まで、
「気の休まる時がない」と学芸員の方、
展覧会の会場で、整然と並んだ絵画を観ている限りでは想像もつかない
準備の様子を垣間見ました。一つの催しものは
こんなに大勢の縁の下の力持ちに支えられていたのですね。
これからは展覧会に行く度に、
そこに漕ぎ着けるまでに行われたであろう作品の選択、チラシ作り、
図録作り、搬入、搬出、会場整備、飾りつけ、
いろいろな場を想像しそうです。
思いがけなく面白い体験が出来ました。S.M.画伯に感謝です。